工事業者(売り手)に対して、「このほかにもアンカーボルトのない所があるはずです。
羽子板ボルトがない所もあると思う、しっかり調べてくれ。
基礎のコンクリートの強度はどれじらいかも調べて欲しい」などと、欠陥を明らかにするよう要望したり指示する人が大勢います。
また「00先生に調査してもらう費用を業者側で負担して欲しい」と言う人までいます。
もちろん、業者が承諾すればよいのですが、断られればそれでおしまい。
納得しなければなりません。
交通事故でも食中毒でも、テレビや車の故障でも、「ここがおかしい」という指摘は、とりあえず被害者が自分の費用負担で行うものなのです。
住宅も同じです。
みなさんの不満そうな顔が目に浮かびます。
でも、もう少し我慢して先を読んでください。
素人には何が瑕疵なのかわかりにくいことがたくさんあります。
弁護士といえども同じです。
ですから素人が見っけられない瑕疵を発見するには、建築の専門家に助けを求めるしかありません。
ことができるのです。
裁判所も、満額のケースばかりではないにしろ請求することを認めています。
ということなので、自分で「この住まいはおかしいと思ったら、ぜひ専門家に頼んで調べてもらうべきだというわけです。
ところで、誰に調査してもらえばいいのかわからない、専門家がどこにいるのかわからないという最初の壁で引き返してしまう人が大勢います。
大多数がそうです。
でも、専門家は町中に「建築士事務所」の看板を出しています。
そこなら原則としてどこでもOKなのです。
タウンページを開けば建築事務所・設計事務所の欄があります。
その中から、最寄りの建築士事務所を選び、欠陥の調査をしてもらえるか、そして、費用がどの程度かかるかを聞いて、納得したら調査を依頼します。
このとき、署名・押印した調査報告書を提出してもらえるかを確かめましょう。
署名・押印できないという建築士には調査を依頼してはいけません。
1級建築士ならおおむね建物の調査はできると信じたいところなのですが……。
なお、そういう最初の壁でつまづきそうな人のために、本誌には「相談組織・機関リスト」を掲載してあります。
これを参考にしていただくのがよいでしょう。