地震に強い住宅がさかんに宣伝されています。
あの阪神・淡路大震災でマンション、一戸建てを問わず大きな被害を受けた住宅が少なくなかったことからでしょう。
しかし、耐震性というと「○○工法だからいい」とか「△△構造なので強い」というように、技術的な優劣がよく話題にされます。
ところが、阪神・淡路大震災で実際に倒壊や修復不能のダメージを受けた建物は、工法や構造の違いによるのではなく、地盤や建て方に問題があったり、保守管理が行われていなかったり、中には耐用年数を大きく超えていたりと、そもそも住宅としての基本性能に欠けるモノが極めて多かったのです。
また、後でわかったことですが、いわゆる活断層に接するように建っていた住宅が大きな被害を受けた例もありましました。
これはしかし、住宅の性能うんぬんを超える問題で、現在の建築技術が今後の課題として取り組むべき、例外的な事例と言わざるをえないでしょう。
問題は、要するに手抜き工事や粗悪工事です。
具体例を挙げれば、「基礎との緊結が不十分な住宅」「必要十分な筋違(すじかい…横の力を受ける斜め材)や金物が使用されていない住宅」「通し柱のない2階建て」「躯体(柱や梁など家の強度を保つ主要部分)の劣化が著しく進んだ住宅」などなど。
一戸建てはこうした住宅が大被害を受けたことがわかりましました。
一方、マンションなどの共同住宅では、老朽化が進んでいるのに維持修繕が行われていなかったり、そもそもコストダウンのせいで強度が不足したりといったものが目立っています。
おおまかに言って、こうした欠陥住宅ができあがるには2つの理由があって、1つは最初から安かろう悪かろうの住宅である場合、もう1つは業界の下請け体質(元請けがピンハネして各工事を下請けにまわす)が粗悪工事を招く場合があります。
あまり公にはなりませんが、分譲マンションと賃貸マンションでは多くの場合、歴然たる品質格差があります。
これは賃貸マンションが採算を優先するせいで、どうしても建築費を圧縮しがち、という事情が背景にあります。
というわけで、地震に弱い家というのは躯体の強度にまで響くような低価格(値引き)から生まれてきます。
これは逆に言うと「一定の強さがある住宅は、やはり一定の価格水準になる」ということで、工法や構造のせいではないと考えるべきなのです。
もう1つの下請け体質のほうは、これは業界の姿勢の問題。
必ずしも悪質な業者ばかりではありませんが、こうした業者がいることを前提に、きっちり現場チェックをすることが重要なのです。