かなり古い話から始めますが、昭和47~48年頃のこと、第3次マンションブームといわれた時代がありましました。
ちょうど日本列島改造論が華やかなりし頃で、この時期、都心・郊外を問わず一大マンション建築ブームが巻き起こりましました。
バブル期の状態とよく似ていて、つくる片端から売れて、分譲価格もうなぎ昇りに上昇したものでしました。
そして、この当時のマンションには2通りの物件が生まれてしまったのです。
1つは「良心的につくった物件」、もう1つは「売れるから、何でもいいからとにかくつくった物件」です。
当時は住宅だけでなく、ビルも橋梁も高速道路も建設ブーム。
セメントに混ぜる砂が枯渇して、手近な海から採った砂を混ぜたりしましました。
よく洗って塩分を落せば問題ありませんが、これを手抜きするとひどいことになります。
で、実際にはそんな粗悪なコンクリートを使ったマンションも混じって、市場はブームに沸いたのでした。
20数年前のものとはいえ、当時のマンションも立派に中古市場に流通しています。
それなりに価格はこなれていて、立地の良い物件も少なくなく、なかなかの魅力を備えているように見えます。
しかし、下手な物件に手を出すと構造までボロボロになっている可能性あり。

たとえば、民間の方でこの時期に建てられた空き家を売りに出した方がいます。

↓この人のサイトです

http://xn--u9jwfgh1dypzcvgn534awwdu73q.xyz/
これを読んでわかる通り、この時期の物件は十分に注意しなければならないのです。
バブル期の物件も同様です。
この時期は地価の暴騰で物件価格が目茶苦茶に上昇しましました。
でも「今買わなければもっと上がる」という脅迫観念みたいなものから、よく売れたのです。
そういう気持ちになること自体はやむを得なかったかも知れません。
しかし、問題は業者サイドにありましました。
なにしろバブルの末期には、首都圏でマンションを供給するデベロッパー(分譲業者)が500社を超えたといわれます。
最大の供給戸数を誇った年で8万戸ですから、単純平均で1社当たり年間150~160戸。
大手は数千戸単位で供給するので、年間数十戸以下というデベロッパーがたくさんあったことが容易に想像できます。
つまり、商売になるとみて素人デベロッパーが雨後のタケノコみたいに増えたのです。
こんな業者の物件が良質かと言えば、ほとんどがノー。
むろん全部ではありませんが、いつの間にか消えてなくなって、管理にまで問題が生じるというケースもあるのです。
ついでに言えば、先頃の消費税アップを前にした駆け込み需要のときも同じような現象が見られました。
施工業者が工事の遅れを取り戻すのに過密な掛け持ちスケジュールを組むので、中身は手抜き、仕上げもズサンという例が随分あったのです。
このように、ブームのときは物件が玉石混清状態になります。
「ムードに乗って」や「安いから」だけで買った住宅には、危ない物件がたくさん混じっています。