普通、「同じような立地の同じような家なら値段はほぼ同じになる」ということを、まず頭に入れておきましょう。
もちろん、場所や方位や形状・面積が違えば大きな違いが出るし、業者がいろいろな工夫でコストダウンを図ったり、使う資材の選び方によっても価格差が出てくるのですが、同程度の家であるなら、さほどの差は生じないと考えねばなりません。
もし大きな価格差がある(非常に安い)なら、そこには何らかの特殊要因があるということ。
だから安さだけに釣られると意外な落とし穴にはまってしまうことがあるので要注意です。
その要因となることを拾ってみると、

※注文住宅の場合
①地盤調査がいい加減、
②基礎工事に手抜きがある、
③使う材料の等級(グレード)を下げてある、
④見えないところの材料を省く、また十分に材料同士を緊結していない

※建売住宅の場合
①土地造成に手抜きがある(軟弱地盤なのに地盤改良が不十分。
切り盛り養生や擁壁工事が不良)、
②地形が変形あるいは狭小である、
③日照、通風が悪い、
④法的に問題がある(建ぺい率違反、権利問題がからんでいるなど)、
⑤材料の等級を下げ、施工に手抜きがある、
⑥丸投げ物件である

※マンシヨンの場合
①眺望、騒音など環境悪化要因がある、
②管理体制がしっかりしていない、
③丸投げ物件である、
④突貫工事でつくられた物件である、
⑤間取りが悪い、遮音性が悪い、
⑥結露がひどいなどが挙げられます。
この他にも実際の住み心地に直結する、「天丼が低い」「音が響きやすい」「振動する」などといったことも挙げられますが、その原因のほとんどは設計・施工の手抜きに起因しています。
特別に安い住宅は、結局のところ「安かろう悪かろう」の可能性が高いので、手を出すときは問題点を十分にチェックし、場合によっては問題があることを覚悟して納得の上で買わなければならないということです。
なお、中古住宅はすでに物件が目の前にあるのでチェックがしやすいのが利点と言えるでしょう。
ただ、それだけに相場よりも格段に安いものには、物件そのものの欠陥とは別の問題が隠されていることがあります。
たとえば、「抵当権が抹消されていない」「賃借権が設定されている」、あるいは中古マンションなら「管理費、修繕積立金の未払いがある」などということもあります。
広く言えばこれらも欠陥の一つですから、目を見開いて徹底チェックを怠らないようにしなければなりません。