たとえば梅雨に工事がぶつかったとしたら、材料が雨に濡れたり工期が延びるといった心配があります。
また最近では、消費税率アップ前の駆け込み需要というのがありましたが、こういうときには建築ラッシュで職人不足や監理の不徹底などといった、施工精度への悪影響が大いに考えられます。
こんな状況に巻き込まれると「一向にメンテナンスに来てくれない」などといった不快な思いをしないともかぎりません。
またこうした要因以外にも、たとえば子供の受験の時期と建替え工事がぶつかったりするのも困ります。
土地を買って建てる場合、子供を転校させなければならないようなときには、時期を配慮することも必要でしょう。
しかし、だからといって自分の都合だけを優先してあわてて契約したり工事を急がせたりしたら、それはそれでまた契約内容のモレや施工の不備を招く恐れがあります。
このように、住宅を建てるタイミングというのは案外難しいものなのです。
準備期間や工期にどれじらいかかるのかを基本的な知識としておさえておくとすれば、工法によっても違いますが、工期は木造軸組工法ならスムーズにいって4~6カ月、ツーバイフォー工法やプレハブはこれより短くなり、大体3~5カ月というところです。
そして案外見落としがちなのは、実際の工期以前の準備段階の期間。
いくつかの会社で話を聞いたり、プランや見積りを出してもらって検討したりといった作業にかかる時間も、計算に4~6カ月4~5カ月入れておかなければなりません。
これは時間的な余裕のあるなしにもよりますが、半年以上はみておきたいところです。
こうしたあらゆる要素と可能性を洗い出して、綿密に着手のタイミングを計らなければいけません。
注文住宅は、契約の時点で、設計の内容・使う材料・値段などがすべて決まります。
甘い契約をすれば、その後のさまざまなトラブルを招いてしまいます。
したがってこの期間を十分にとっておくことが大切なのです。
まずは営業マンの「いまなら決算期ですからおトクです」などといった言葉にのせられてアセらないようにしたいもの。
そして近い将来の家族の生活状況をみんなでよく話し合って完璧に把握しましょう。
その上で完成させたい時期を設定、それから季節的な要素なども考慮に入れて全体のスケジュールを立てれば、ほぼ間違いないでしょう。