最近、飲食チェーン店などでマニュアルどおりにしか話さない店員が増えてきましました。
それが笑いの種にされたりします。
あれは、いわばアメリカ流の必要十分条件を満たせばいいを狙いにしたマニュアル教育のせいで、確かにお客にとって特別に不快ではないものの、心地よくもないという結果になります。
ま、ファストフードの店ならそれでもいいかもしれません。
しかし住宅となるとこれでは困ります。
なにしろ住宅を買おうという人は、一人ひとりのライフスタイルが違うし、懐具合だって違うわけで、そのへんのきめ細かな対応が欠かせないからです。
ところが、現実にモデルルームやモデルハウスで応対する営業マンの中には、ファストフードを売るのと同じようなインスタント教育を受けた素人営業マンが少なくないのです。
こういう営業マンにとって商品はハンバーガーやドーナツと同じ。
とにかく注文をとってさばくことが先決なので、ぼんやりしていると好きでもない商品を押しっけられる羽目に陥ってしまいます。
すなわち、自分の希望とは程遠い欠陥物件を買わされる可能性があるわけで、これには十分注意しなければなりません。
営業マンが素人かどうかを見抜く決め手は、セールスマニュアルに書かれていない裏を突くこと。
具体的にはこうです。

①建物の見えない部分に質問を集中する「壁の構造は~」「壁、スラブの厚さは~」「配管はどこを通っている~」「床下地の構造は~」などを質問。口ごもったり、いい加減に答えたら×。図面を出して説明できれば○。

②角度を変えてローンの質問をする共済、労金などの融資について質問してみます。
一般的なローンの話に引き戻すようなら×。資料を出してきて概算ができるなら○。「確認して後日連絡します」などは△。

③過去の住宅市場について質問する「5年前の間取りの傾向はどんなものでしたか~」「ここ10年の住宅価格の動向は~」など、過去の動向を質問してみます。一定の知識を持っていれば○。まったく知らなければ×。

素人営業マンでも売りたい物件のセールスポイントだけは学んでいます。
ウィークポイントの応酬話法などもマニュアルに書かれています。
そんな質問をしても立て板に水の返答が返ってくるだけ。
そこで右のような質問をしてみれば、その営業マンが信頼するに足るかどうかが見えてきます。
もちろん、そのためにはあなたも一定の知識をため込んでおくことが必要。
変な物件を押しっけられないためには、そのぐらいの努力を惜しんではいけません。
あらかじめ質問事項をまとめておいて営業マンとの話し合いに臨みましょう。