マンションを買うなら管理を買えが、ようやく認識されるようになってきました。
これは当然のことで、多数世帯が住むマンションでのずさんな管理は命取り。
日常の維持管理が行き届かなければ、共用部分はあっという間に汚れ放題、気がついたときには建物全体にスラム化が進行してしまっているからです。
むろん住み心地は急激に悪化、建物の価値もどんどん下落していってしまいます。
でも、それで済めばまだいいほう。
もっと問題なのは、目に見える欠陥が生じても補修・修繕を行わない場合です。
外壁にクラックが入っても点検補修をしない、屋上の防水層に破損が生じてもそのままという具合では、建物の寿命がグンと縮んでしまいます。
しかし現実はどうか。
ごく最近まで長期修繕計画をもたないマンションが少なくありませんでしました。
中には今に至っても計画を策定できず、資金的な裏付けをもたないために痛むにまかせるマンションが相当数に及びます。
普及しはじめてからかれこれ30数余年、大規模修繕が必要な時期をとっくに過ぎているマンションが、急激に数を増しているにもかかわらずです。
この根本的な要因は、修繕積立金の少なさにあります。
ある調査によれば、修繕積立金ゼロのマンションが約11%、3000円未満が37%となっていて、全体の約半数が月3000円に満たない金額しか積み立てていません。
それというのも修繕積立金の額を「高くすると売りにくい」という販売サイドの思惑があり、その陰には修繕の必要性に対する買い手の認識不足があるのです。
月に3000円の積立金では、100戸のマンションで20年間積み立てても総額は7200万円(利子別)。
これに対して100戸規模のマンションの20年間に要する修繕費は1億5000万~2億円といわれますから、半分以下の資金しかないことになるわけです。
これでは常に修繕計画は破綻状態。
一時金で出すとなれば1戸当たり100万円以上もの負担になってしまいます。
早急に積立金の見直しを計らねばならないことがおわかりいただけるでしょう。
そしてようやく最近、修繕積立金の額を見直すマンションが増えてきましました。
また、新築マンションでは修繕計画に基づいて金額を設定したものや、購入時に一時金として一定額を支払うケースが多くなっています。
「やや高めだなぁ」と思っても、結局いずれは負担しなければならないもの。
住み心地と安心を買う費用だと考えるべきです。
逆に「安いなぁ」と思ったときに単純に喜んではいけません。
長期修繕計画の有無と内容を確かめましょう。
もしかすると早々に老朽化する欠陥マンションをつかむことになるかもしれませんから。