住宅金融公庫融資は、国が政策誘導をする形で低金利・長期返済など有利な条件で融資しているため、今も住宅ローンの代表選手の位置を堅持しています。
ただし、そうした優遇措置を講じている関係もあって、建物に独自の建築基準を設けていて、それをクリアしなければ融資の対象にはなりません。
このことが公庫融資の対象になる物件は優秀で安全な建物だ、という評価を得ることになりましました。
事実、業者の中には「公庫融資が利用できるから他より優れていて絶対安全」などといって分譲するところもあります。
しかし、公庫融資を受けられる物件がとくに優秀であるとの認識には、いささか錯覚があることを知っておいたほうがよいでしょう。
たしかに公庫の建築基準は一定の強度水準を満たしていることが必要です。
また、住み心地を確保するための広さや、飛び抜けて高額にならないように価格や広さの上限といった基準もあります。
しかし、だからといってとくに品質が良いということではありません。
モノというわけではないのです。
もっと言えば、現在の建築基準法や自治体条例をしっかり満たす住宅であれば、公庫の技術基準からはみ出していても十分に頑丈で優秀な住宅があり、むしろ公庫融資対象物件の中にも、あちこちの部材や機材の品質を落としたものがなくもないということです。
なお、公庫融資が受けられる物件には公庫融資付きと公庫融資利用可の大きく2種類があります。
公庫融資付きは、申込み者に資格があれば融資が受けられることがあらかじめ決まっている物件、公庫融資利用可のほうは公庫の基準を満たすかどうかの審査を経て融資の可否を決めるものです。
前者は公庫があらかじめいろいろな角度からチェックを入れているので、手抜き物件や業者間で転売された物件が混じることはありません。
その意味で安全度が高いといえるでしょう。
一方後者は、設計や構造、材料などが貧弱で融資対象にしてもらえない物件などに比べれば安全度が高いとはいえるものの、とりたてて優秀とは限らないのです。