カタログやパンフレットの類も、モデルハウスと同じようなことがいえます。
というのも、それらには最も良い条件のときにモデルハウスで撮った写真が使われていることが多いからですから。
パラパラめくってみても、ただのイメージの羅列という印象しかもてないことが多いはずです。
もし、「あ、すてき!」と引き込まれるようなら、モデルハウスと同じ失敗に陥るケースが少なくありません。
あなたが一番知りたいのはおそらく、その会社ならどの程度の家をいくらで建ててくれるのかということでしょう。
でも、その情報をハウスメーカーのパンフレット類からキャッチするのは困難です。
ただ、それでもよくよく見ていくと、モデルハウスではわからない情報が得られることもあります。
それはこんなところです。
グラビアページに目立つようにレイアウトされている写真は参考程度にします。
けれど、たとえば外観写真のそばに小さく標準仕様やオプションとして、屋根材の写真が載っていたら要注目。
それを見ると標準仕様の屋根は人造スレートで、色は3色のみから選択(選択肢が少ないのです。あるハウスメーカーの例)とか、瓦はオプションなどということがわかります。
標準仕様というのはその会社が標準的に使っている材料などのこと。
量産しているので安く使えるというわけ。
オプションはそれより高級な代替品。
このようにして内装や建具、設備を見ていくとおよそ、その住宅のレベルが見えてきます。
また構造を説明したページもあります。
基礎はどんなつくりで、柱や梁の樹種は何で、サイズはいくつで、断熱性や耐久性にはどんな配慮をしているかといったことを説明したページです。
少し難しい用語も出てきますが、ここは仕様のレベルを知るために重要なページ。
また1社のものだけを読んでいては、その仕様が本当に優れたものかどうかわかりません。
自社の得意分野だけを強調していたり、あるいは他社でも普通にやっていることなのに、ことさら自社の特徴として挙げていることが多いからです。
設計して見積りをもらうまでは値段がわからないので、パンフレットが会社選びの決め手とはいえないまでも、いまの住宅の一般的な水準を知るには、モデルハウス巡りよりよほど役に立つといえそうです。