宅地を造成するには基準があります。
その基準は『宅地造成等規制法』という法律で定められていてて、ある規模(段差が2mを超えるものなど)を超えた造成では、この法律にかなった造成をすることが義務づけられているのです~しかし「住まい110番」に寄せられる相談を見ると、その宅地が非常に古く、宅地造成等規制法の制定以前のものも少なくありませんが、ごく最近造成された宅地もあります。
したがって、いずれの場合も十分にチェックする必要がありそうです。
双方に共通する調査は、入手しようとしている宅地が、古くはどんな土地だったかを古図で調べることです。
その要領は、最寄りの公設図書館に行き、レファレンス(受付)で「00町00番地あたりの古い地図がありませんか」と聞いてみましょう。
今から100年前、200年前のものがあればいいのですが、なければ50年ほど前のものでもいいでしょう。
これを見ると、当該の敷地周辺が、以前はどんな土地だったかがわかります。
避けなければいけないのは、
①沼地、
②斜面、
③湿田、
④埋め立て地、などでしょう。
中には、造成前は墓所だったという土地も現実に売り出されています。
買ってから縁起が悪いと落ち込む前に調べたいところです。
崖地などの造成については宅地造成等規制法が制定されて以降は技術基準がありますから、最低限の基準は満たされています。
しかし、できれば「君子危うきに近寄らず」といきたいところ。
相談にもち込まれるケースを分析すると、いま述べたような土地が多いことは間違いありません。
宮城県沖地震のときに被害地を調査して、「なぜ伊達の殿様が構えた城下は被害が少なかったのか」という疑間が解けましました。
民間情報として、古い時代から土石流もなく、河川の氾濫もない地盤で、見晴らしのきく立地に城を構えたのです。
法律ができたといっても、大きく地球規模の視点で考えれば、人間の造った埋立て・盛土などは極めて微小な行為です。
自然の力の前には、いつ崩れてもおかしくないと思わないといけません。
たとえば「出水」などという地名は、その地名からして危険を予想させます。
技術以前にまず、土地の戸籍を調べましょう。