注文してつくってもらう誂え品にもいろいろありますが、同じ誂え品でも住宅は、できあがるまでの期間が長いこともあって、工事が始まってから設計変更を余儀なくされる場合が少なくありません。
原則的には設計を変更しないのがベストではあるものの、本当に変更した方がいい場合もあるので、避けるのが得策とばかりは言えません。
しかし、決断するには「設計変更に伴う工事費の出入り」をきちんと確認してからにしたいものです。
よく、「とにかく変更して欲しい。
代金は間違いなく支払うから」などと、記録も残さずに工事を先行させるケースを見かけますが、これは絶対にいけません。
その結果が「そんなに大金が掛かるなら、なぜ言ってくれなかったんだ!」と必ずなるからです。
結局、追加工事代金の支払いを渋ることになるでしょう。
トラブルになること請け合いです。
ある人が「設計ではアルミサッシに普通の透明ガラスを入れることになっていたが、ペアガラスに変更をしました。
そしたら何とガラス代の差額だけでなく、サッシの取り替え代金まで請求された」と大いに嘆いていましました。
しかし、ガラスをペアにすれば、サッシも取り替えなけれートたるゆえんなのです。
こうした素人ならではの思い違いが、簡単に変更を指示してしまうことになり、その結果、後悔する羽目になるというわけです。
変更はしてもよろしい。
あなたの住まいなのですから。
自由に変えるのは大いに結構です。
ただ、ここで申し上げたいのは、勘違いや間違いをしては、楽しい住まいづくりが「地獄の住まいづくり」になってしまいますよ、ということです。
こんな思い込みの例もありましました。
「あのサッシは定価が8万9000円、7掛けなら6万ちょっとだと踏んで変更を指示したら定価で請求されてしまったのです。
『そんな馬鹿な!自分が買っても8・5掛けで買える』と抗議したけどダメだった」。
取引高の少ない小さな工務店の場合、定価でしか納品してもらえない場合もあるのです。
後で後悔しないよう、必ず工事代金を確認してから変更に踏み切りましょう。
場合によっては施主が材料・部品を入手して支給するという手だってあるのです。