給排水・衛生工事は水を直接使う部分とその周辺の工事ですから、
①漏水が起きない、
②錆水が出ない、
③緑青(ろくしょう)が出ない、
④排水が詰まらない、
⑤給水管が凍結障害を起こさない、
⑥ウオーターハンマーが生じないなどが大事なチェックポイントです。
ただ、不思議なことに給排水・衛生工事については法的な規制があまりありません。
したがって、法的に違反であるという種類の瑕疵(欠陥)にはならないものが多いのが特徴です。
給排水・衛生工事で、居住者の健康に影響する大きなトラブルの1つは、給水管から緑青が流出すること。
一般的には、鋼板が大気中の二酸化炭素に接触すると表面に酸化膜ができて固くなり、以後、銅の表面が荒らされることはありません。
ところが、この表面に鉄錆などが付着し、その回りを水が取り巻くと、そこに電池ができて銅が溶けて流れ出します。
これが緑青です。
この水を飲むと鉱毒障害の危険もあります。
ただ、これを防ぐのは簡単なこと。
給水管にライニング鋼管という管を使用するときは、管の切り方に注意を払い、管をつなぐ個所に「コア」という部品を使用して、継ぎ部分に十分に防蝕材を塗布すればよいのです。
また給湯管と給水管を接合するときは、ハングではなく「ロウ付け」で施工します。
なお、住宅の排水工事では、排水管が最低3本必要だということを知っておきましょう。
家のどこからも排水が円滑に流れるよう、必要な勾配を排水管にあたえるには、この数だけ排水管が必要になるのです。
一方、電気工事については、その技術基準が通産省令に明記されています。
住宅と関係の深い室内配線については、内線規制としてその技術基準を定めています。
これは、給排水・衛生工事以上に生命の安全に関係していると考えているからだと思います。
たとえば、電線をつなじときは、それを「接続箱」の中で行いなさいと規定しています。
つないだ部分は、直線部分よりも熱をもちがちになります。
また、接続部分に水がついたりすれば漏電しますから、ズサンな工事はとても危険なわけです。
ところが、事もあろうにこの重要な工事が、違法に行われている住宅が目白押しだから困りものです。
電線の接続部分がしっかりと接続箱の中で行われているかを確認しましょう。