建売り住宅を買うときは、素人にはわからない部分が多いので、第二者の建築士に同行してもらうのがベストです。
注意しておきたいのは、あなたが買おうとしている住宅の物件説明書やパンフレットには、設計した建築士の名前が書いてあります。
また、工事監理をした建築士の名前も書いてあります。
これで、それなりに安心してしまうのはまちがいだということ。
わが国で住宅を建てようとすれば、その住宅の床面積が木造で100㎡以上(鉄筋コンクリート造で30㎡以上)の場合には必ず建築士が設計・監理しなければならないと決まっているのです。
建売業者は付き合いのある設計事務所の建築士に簡単な「設計」をしてもらい、実際にはやらない「工事監理」をしたように見せかけるーこんなふうに名義を借りていることが少なくありません。
建売り住宅のパンフレットや物件説明書に書かれている建築士が、実際に設計をし工事監理をしているかといえば、「ノー」というのが現実なのです。
だから注文住宅がいいかといえば、これも「~」です。
ある相談者の例では、何回かの設計打合せがあり「当然その人が建築士で工事監理もしてくれると思っていた」のに、建築確認申請書に書いてある建築士の名前は、初めて見る名前だったとのこと。
これが住宅会社の常套句「設計は任せておいてください、サービスしておきます。
建築士に工事費の1割も支払うのは馬鹿らしいですよ。
当社に任せてくれれば1級建築士がちゃんと設計・監理しますから」という台詞の結果だったのです。
建売り住宅、注文住宅のいかんにかかわらず、買い主の立場で設計・工事監理してくれる建築士に依頼しないと、安心できる住宅は手に入らない、そう断言しておきましょう。
建築士には1級と2級、さらに木造住宅なら木造建築士という資格をもった人もいます。
そのいずれかの資格をもっている信用できる人を見っけて依頼するーーこれが原則だと心得ましょう。
でも、じゃあどうしたら信用できる建築士を見っけられるか、また、建築士を頼むのにどの程度の費用がかかるかという心配もあるでしょう。
どうやって見っけるかは別の項に譲り、ここでは建築士を依頼する場合の、おおよその費用を示したので参考にしてください。
頼んだ建築士に対しては、他人行儀でなく、ざっくばらんに本音をさらけだして相談することが、建築士との上手な付き合い方。
建売り住宅も、建築士を頼んで最低でも1回は現場を見てもらうのが、上手な住宅選びのコツです。