脅かすわけではありませんが、注文建築で住まいを建てた人の中には欠陥をめじって裁判で争っている人が少なからずいます。
しかも思うように良い結果を得られずに難儀しているケースが少なくありません。
その最も大きい原因は「証拠がない」ということです。
①大工さんが後でフローリングの下に板を張ると言った……。
②出窓のサッシの色をホワイトにすると約束した……。
③居間のシャンデリアはサービスで付けると言った……。
①工事費に外構工事も含めると言った……。
どれもこれも、現場で打合せたときに大工さんや工務店の代表者が言ったことには違いないのですが、それを証明するものがないー。
これでは裁判で勝てないのです。
したがって住まいづくりにおける話し合いは、0定期的に行うこと。
②必ず記録を取って、その場で決定事項を確認し、書面(現場打合せ記録)を作成して関係者が署名押印。
コピーをとり各人が保管すること。
同設計変更などの場合は、それに伴う金額を提示してもらい、確認すること。
を励行することが重要なのです。
「堅いことは言いませんよ、必要なときに声を掛けてください」「お互いに忙しいから適当なときにこっちから出向きます」などと言われ、そのときは全然変だとは思わなかった、とトラブルの渦中にいる人は異口同音に言います。
そのあげく、システムキッチンの色が違うの、寝室の壁クロスに品位がないの、便所に手摺がついていないの、床には段差がついているのと揉めることになるのです。
これを未然に防止する方法は、いま言った現場打合せを定期的に行い、記録を残す以外にありません。
なぜ定期的なのかといえば、発注者も請負人も建物完成までの予定をあらかじめつくれるからです。
その都度方式では、両者の都合がかみ合わず、不十分な話し合いしかできません。
「仕事の都合で毎週水曜日にさせてもらいます。
とくに問題がなくても水曜日の午後1時からは現場に伺います」という具合にしておけば会合を確実なものにできます。
また、定期的に現場に行き、証拠として写真にも撮っておけば、裁判に勝つ可能性が高くなるわけです。
さらに、こうした定期的な現場訪間は、証拠を残すという目的以外にもっと大切な、工事人とのコミュニケーションを図ることにもつながります。
これによって裁判を起こさなくてもよい住まいができる可能性がグンと膨らむのです。