注文住宅を建てるときは「工事請負契約」でしました。
一方、建売り住宅やマンション、中古住宅などすでに建っている住宅を買う場合には、工事請負ではなく「不動産売買契約」ということになります。
何が違うかといえば、前者は「まだ目に見えない形のないモノを買う契約」なのに対して、後者は「すでに目の前にあるモノを買う契約(青田売りという完成前のモノを買う場合もあります)」というところです。
したがって工事請負では、完成するまでに起こる可能性があるさまざまな問題点に重点をおいて契約約款がつくられているのに対して、こちらのほうはモノが確実に手に入るかどうかが中心です。
概して請負契約よりも内容が簡単ということが言えますが、しかし、すでにあるだけにかえって神経を使わなければならない部分もあります。
たとえば、
①請負なら自分の目で進行がチェックできるが、売買は構造までチェックしにくいので欠陥が発見しにくい
②総じて請負より金銭の授受が早く進行するので、金銭の手配をスピーディに行わなければならないのです。
また、その金銭の保全措置にも神経を使う。
③中古住宅は居住者がいる場合があるなど、権利関係が複雑な場合があり、それらの解消を確実に実行させなければならないのです。
④同じく中古住宅では抵当権が設定されている場合が多く、確実に解消してもらう必要があります。
などなどです。
売買契約書の内容はすでに述べた重要事項説明書と重複する部分が多いので、両者を見比べながらチェックするのがポイント。
食い違いがあれば指摘して修正してもらう、また、重要事項説明書で確認した事項の中に契約書に特記しておいたほうがいいものがあれば、それを付け加えるようにします。
たとえば「登記簿の土地面積より実測面積が狭いことがわかったときは、定めた方法で計算した金額を売買価格から差し引く」などといったことは必ず特記するようにしましょう。