塗装やタイル、ビニールクロスなどの剥がれは比較的よく起きることで、これ自体がすべて欠陥とまでは言えません。
また、修復もさほどむずかしくはありません。
ただ、なぜ剥がれるかということを考えてみると、それは施工が雑だから。
言い換えると、工事に十分な時間を割いていないからです。
塗装する前に下地の汚れや付着物を取ってフラットにならす作業を、十分にしていなかったり、下塗りが乾くまでの時間を十分にとらないで仕上げ塗りをする、クロス貼りなら継ぎ目を丁寧に押さえっけないで次の仕事にかかる、などといったことです。
これらの工事は、工事全体の最終工程に行われます。
つくる方としては契約した工期に間に合わせなければならないのです。
そこで、しわ寄せがこうした最終工程に集中してしまうという傾向があります。
そこで突貫工事とあいなるわけですが、適切な時間をかけることも建築工事には非常に大切なこと。
工期に間に合いさえすればいいというものではないのです。
マンションの屋上防水工事などでも、こうした突貫工事がよく見られます。
これをやられると最上階の住戸は最初から被害甚大。
次第に建物のあちこちに影響が出て、全体の老朽化が急速に進んでしまうことになります。
またマンションではエントランス付近の床や壁の仕上げ、鉄部の塗装などに突貫工事の悪影響がよく現れてきます。