「59」以降で解説する工事中のチェックポイントをスムーズに読み進めていただくために、まずは基本的な用語を簡単に説明しておきましょう。
・木造軸組工法(日本に昔からある工法のことを最近ではこう呼ぶことがあります。
柱と梁、筋違(すじかい)など「木の軸」で建物を支える工法で、「木造在来工法」という別名も)・ツーバイフオーエ法(北米から来た工法です。
2×4インチの枠材に構造用合板を釘で打ちっけてつくられる「面」で床・壁・天丼を構成し、それで建物を支えます。
構造に関する考え方が軸組とはまったく異なります)・ツーバイフォーエ法の建設省告示(材料や施工方法などの技術基準を定めたものです。
海外から入ってきた工法だけに、細かく仕様が決められています。
ただ97年6月の告示改正で、「仕様規定によらなくとも一定の性能を確保していればよい」ことになりました)・鉄骨住宅(主に軽量鉄骨を用いたプレハブ住宅と、重量鉄骨を用いた在来の工法があります。
一戸建てでは最近はプレハブ住宅が非常に増えています)・地耐力(地質)調査(地盤の固さを調べる調査のこと。
比較的簡単にできるスウェーデ式サウンデイング方式調査というのがよく行われています。
ハウスメーカーでもこれを実施しているところが多くなっています)・地縄張り(建築を始める前に設計にしたがって建物の位置決めをすることです)・布基礎(一戸建ての基礎は、通常逆T字型をしたコンクリートが建物の外周や主要な間仕切り部分に連続して設けられます。
「布」という言葉はここでは水平という意味で用いられています。
Tが逆になった底の部分がフーチング、これが建物の安定を確保します)・ベタ基礎(厚い鉄筋コンクリートを床下全面に打った基礎のこと。
コンクリート盤で建物を支えるので布基礎より強固です。
一戸建てでは地盤の緩い場合に用います)・筋違(木造軸組工法で柱と柱の間に入れ、横揺れへの抵抗力を高める重要な部材です)・石膏ボード(よく使われる内装の下地材。
石膏中に結晶水が含まれていて、火にあたると水蒸気を発散して火のまわりを遅くする性質がある耐火性の高い材料です)・断熱工事(外気に触れる床、壁、天丼(もしくは屋根)に断熱材を入れる工事のこと。
グラスウールはよく使われている断熱材で、ガラス繊維の中に空気を封じ込めて断熱性を確保する材料。
断熱材は厚いほど効果的ですが、隙間なく施行されないと効果が激減します)・給排水・衛生工事(給排水は水道・下水の配管工事のことで、衛生工事はトイレや浴室・洗面台などの工事。
いずれも水回りの工事です)・外構工事(建物本体以外の外回りの工事を指しています)